飲食店は年末年始の繁忙期を超えると、1月・2月の閑散期で一気に客足が遠のきます。
売上が目に見えて少なくなるので不安になったり、焦ったりしてしまう場合も多いです。
しかし、閑散期に必要以上に頑張ってしまうのは大間違い!
この記事では、
- 1月からの閑散期にやってはいけないこと
- 閑散期を根本的に解決するためにやるべきこと
- 最低限やるべき集客方法
について詳しく解説いたします。
1月からの閑散期は”無理して集客してはいけない”!?閑散期にやってはいけないこと
閑散期に無理やり席を埋めるための集客をしない
そもそも閑散期とはお客様の需要が減る時期で、お客様は確実に減ります。
閑散期は広告効率も悪く、費用をかけても大きな成果を上げられないのが現実です。
閑散期には無理をしない、繁忙期を爆発的に成功させるための準備をする、というスタンスが基本になります。
だからと言って、のんびり休めるわけではなく、やるべきことはたくさんあります!
年末年始の繁忙期の売上と稼働率を閑散期と比較しない
年末年始の繁忙期で売上が伸びると、その後の1月前半からの閑散期でしょんぼり落ち込んでしまう場合があります。
この時、閑散期でも繁忙期と同じくらい売り上げようとしたり、繁忙期に数字を近づけようとすることは間違いです。
閑散期には閑散期の”理想の数値”があります。
年末年始を基準に考えてしまうと、どうやっても届かない夢の数字を追いかけることになり、労力も時間も無駄になってしまいます。
繁忙期の営業体制を長引かせない
年末年始は、多くの飲食店にとって戦いの季節です。
満席の予約を受け、従業員を多く配置して、広告をたくさん出稿して、食材を大量に仕入れます。
しかし、売上が良くなったからと言って、その体制を長引かせてはいけません。
ランニングコストをそのままにしておけば、大きな損害につながります。
過度な割引・特典・キャンペーンをしてはいけない
閑散期の集客について調べてみると、割引や特典などをつけるお店が多いようです。
完全に悪いとは言えませんが、利益率を下げていることに変わりありません。
下がった利益に見合うほど、閑散期のキャンペーンで売上を伸ばすのは難しいです。
そもそも、閑散期。需要が無い季節ですから、それでもお客様に来てもらうならそれなりに大きな割引や特典を必要とします。
最終的に考えてみたら、リピートのお客様にいつもの価格で提供していた方が良かった、という結果になりかねません。
飲食店が1月の閑散期を根本的に解決するためにやるべきこと
年間売上・利益の予測を立てて計画する
月ごとに利益を考えるのではなく、年間で利益を考えることで閑散期の捉え方が変わります。
「売上の悪い閑散期をどう乗り切るか」という考え方よりも、「繁忙期の売上を20%増やすにはどうしたらよいか?」と考える方が、年間売上や利益は改善されやすくなります。
閑散期の売上を100%、繁忙期の売上を300%とした場合。
繁忙期の売上を20%伸ばすと、閑散期の60%あたる売上を伸ばしたことになります。
しかも、繁忙期の方が伸ばしやすいことが多いのでおすすめです。
繁忙期の稼働率が収まるタイミングを見極める
繁忙期が終わったら、従業員を減らし、広告費を下げ、食材の仕入れを減らしましょう。
そのためには、繁忙期が終了するタイミングを見極めることが重要です。
毎年の売上が減少する時期を見極めて管理します。
また、繁忙期は予約を優先すれば稼働率を下げるタイミングがわかりやすくなります。
繁忙期のための準備をする
ということで、閑散期のメインタスクは”繁忙期の準備”です。
繁忙期は大忙しで料理を提供する大変さがありますが、経営的な視点で見ると閑散期にやることの方が難易度が高く頭を使わされることに気づきます。
集客の準備
繁忙期に他店に勝つためのキャンペーンを考えます。
「年末年始はお客さんがいっぱいきて嬉しいなぁ」と感じていたのであれば伸びしろがいっぱいあります。
クリスマス、忘年会、宴会コース、飲み食べ放題…
他店でやっていないことはありませんか?お客様が「こういう店ってないのかなぁ?」って感じていませんか?
もし、足りていないものがあればチャンスです!
WEB広告画像を作り、出稿地域を決めて、チラシを配り、SNSで公開するための準備をしましょう。
従業員の教育
料理や接客のクオリティーを上げるために従業員の教育をします。
繁忙期の売り上げを20%伸ばすため、という目標でも良いですね。
提供スピードを上げるだけでも席の回転率があがり売上は伸びます。
クオリティーが高ければリピート率も上がり、閑散期の売上につながることもあるはずです。
新メニュー開発
新メニューを開発したり、新しい仕入れ先を開拓したり、こうした活動は繁忙期には絶対にできません。
しかし、飲食店を成功させるためにはやらなければいけないことなので、閑散期にやるのがベストでしょう。
接客マニュアルなども改善して、全体のクオリティーを上げていきましょう。
繁忙期における従業員のスケジュール確保
クリスマス、年末年始だけでなく、夏の花火大会、地域のお祭りなど、急にお客様が増えるタイミングが予測できます。
特定の繁忙期に合わせて、できるだけはやく従業員のスケジュールを確保しておくことが重要です。
もし、浅草の三社祭が目の前で行われる居酒屋で、当日従業員が確保できていなかったらと考えると…恐ろしいですよね(笑)
優秀な従業員であれば、半年前からお願いして、毎月確認をとるくらい大事な仕事です。
店舗の改装
オフィス街の鍋料理屋が年末年始に改装で閉まっていたら笑うしかないですよね。
店舗の改装は繁忙期を避けるのが鉄則です。
なんなら、繁忙期に合わせて「改装リニューアルオープン記念!」とチラシを配るのも効果ありです。
新しいキレイなお店はそれだけで行きたくなるものです。
閑散期にも来てくれるお客様を手厚く接客する
実はここが一番重要で、閑散期に来てくれるようなヘビーユーザー様は手厚く接客してください。
繁忙期にはできなかったことがあるはずです。
閑散期のリピーター様は、繁忙期にも来てくれますし、口コミをしてくれる可能性も高いです。
閑散期にきてくれるお客様の人数をあなたのお店の実力と捉えて、売上よりも伸ばすべき数字としましょう。
閑散期の稼働率が100%に近く、1-2か月待ってもらうようなお店になるには、ここが一番のポイントになるはずです。
最低限やるべき集客に使える1月のイベント・キーワード
イベントとキーワードを使ったメニューやコースを考える
閑散期にもやりやすいコストのかからない集客は、季節ごとのイベントやキーワードを盛り込んだ商品を考えることです。
- お正月
- 成人式
- 受験
- 新年会
などは、SNSやぐるなびなどに記載するだけでも少し目立つことができます。
宴会コースの名前などに使ってみましょう。
また、暖かい食べ物、冬が旬の食べ物などを使うのもありですね。
記念日を使った特別メニューを考える
毎月たくさんの記念日があることはご存じでしょうか?
例えば、1月5日はイチゴの日、1月6日はケーキの日です。
1月22日はカレーの日とラーメンの日がかぶっていて、定食屋さんなら「カレーVSラーメン」でキャンペーンが打てますね(笑)
毎月何の日があるのか確認しておくことをお勧めします。
まとめ
閑散期の基本は「繁忙期へのバネ」として捉えることです。
無理な広告、割引キャンペーンで利益率を下げるとさらに苦しくなる場合があります。
勝負になる繁忙期に向けた準備は閑散期にしかできません。
アイデアが必要な頭を使う仕事が多くなりますが、ここで頑張れば他店に差をつけることができます。
また、閑散期でも来てくれるお客様を大事にしてリピート率をあげることで、時間を追うごとに経営が楽になっていきます。
閑散期は、焦らずどっしりと構えて次の繁忙期への準備をしつつ、いつも来てくれるお客様に感謝をする時間にしたいですね!